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家康公が愛したまち静岡

■視察会 報告記

「家康公生誕の地「岡崎市」の散策と岡崎大河ドラマ館の見学」(令和5年11月27日)

今回の視察会は、本会と徳川みらい学会との共催事業で、一般参加者5名、事務局2名を含めて26名の参加で実施しました。現地集合等の一部の方々を除いて、早朝7:00に静岡駅南口スルガ銀行前から観光バス1台で、岡崎に向かいました。車中では、駿府城を愛する会の藤井会長と徳川みらい学会の熱川理事長からそれぞれお話をいただきました。小春日和の晴天に恵まれ、途中の車中からは鮮やかな紅葉の景色も眺めることができました。
 最初の訪問先は「松平東照宮」。家康公・親氏公を祀っている神社です。「松平郷ふるさとづくり委員会」の加藤事務長が出迎えてくださり、ガイドの宇野さんから「時宗の僧侶だった松平親氏は松平郷を訪れて領主・在原重信の娘と結ばれました。在原重信の先祖は六歌仙、三十六歌仙のひとり在原業平です。婿となって家督を継いでからは、豪族としての力を発揮しました。」など家康公の誕生したルーツについて、ハンドメイドの家系図を使いながら詳細かつ分かりやすいご説明をいただきました。さすがに、前日の家康公検定で100点満点を取った方です。



また、拝殿では柴田宮司から、天井画のご説明をいただきました。それによりますと、家康公400年祭メモリアル事業として、安藤則義氏が2年の月日をかけて制作した作品で、108枚の漆絵は松平で見られる季節の草花、その中には三つ葉葵の元となった双葉葵も描かれているとのことでした。時間があれば、一枚一枚ゆっくり鑑賞したい天井画でした。
次の訪問先は「大樹寺」。千人塚に眠る戦死者の亡霊を供養するため、松平四代の松平親忠公が創建した松平家の菩提寺です。現地到着後、大きな声のガイドさんに境内を案内され、「山門、総門を通して一直線上に岡崎城を拝む展望をビスタラインと言います。」と説明されて、参加者一同は一斉に山門の向こうを覗き込みました。そして、山門前で、全員の記念撮影をしました。



その後、本堂に入り中村貫主から、「大樹寺は、松平家四代親忠公が勢誉(せいよ)を開山として創建した浄土宗の寺です。桶狭間の戦い後わずかな手勢で岡崎に撤退してきた家康公が自刃を考えた際、登誉(とうよ)上人に諭され『厭離穢土欣求浄土』の言葉を授かった逸話が残っていることで有名になりました。このことがなかったならば、天下泰平の江戸時代はなかったでしょう。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ地区への侵攻など不安定な今こそ、家康公が苦労して築かれた平和の尊さを私たちは再認識すべきです。」という講話をいただきました。その後、大方丈(だいほうじょう)と宝物殿を拝観しました。宝物殿では、松平八代と徳川歴代将軍の位牌が安置されていました。家康公の位牌は家康公の遺言に基づくもので、徳川歴代将軍の位牌は等身大で壮観でした。



三番目の訪問先は「八丁味噌の郷 カクキュー」。早川社長が出迎えてくださり、歓迎のご挨拶をいただきました。聞くところによれば、今川義元の家臣だった早川新六郎勝久は、桶狭間の戦いで今川が敗れた後、岡崎の寺へと逃れて武士をやめ、名を久右衛門と改めた。
久右衛門は、寺で味噌造りを学び、数代の後、岡崎城から西へ八丁(約870m)の距離にある八丁村(現在の岡崎市八丁町)へと移り、正保2(1645)年に業として味噌造りを始めたそうです。
ここでは、八丁味噌仕立ての牛味噌すきやき御膳を美味しくいただきましたが、時間の都合で史料館と熟成蔵を見学できず、残念でした。
最後の訪問先は「岡崎城」と「どうする家康 岡崎大河ドラマ館」。岡崎公園に到着後、2班に分かれて30分程度、「おかざき観光ガイドの会」のメンバーが、岡崎公園内を案内してくれました。家康公のからくり時計、本多忠勝銅像、しがらみ像、二の丸能楽堂を経て、家康公産湯の井戸の前を通り、左上に岡崎天守を眺めながら、空堀沿いを散策して、天守に至りました。紅葉の中、程良い起伏を楽しみ、最後は野面積みの岡崎城天守をバックに記念撮影をして、自由見学になりました。



岡崎城天守は、昭和34(1959)年に再建された3層5階の復興天守です。江戸幕府が開かれた後は、石高5万石と低かったものの「神君出生の城」として神聖視され、格式高い譜代大名が城主になったようです。天守の内部は現在、歴史資料館として公開され、展望室から岡崎市内が一望できました。
岡崎大河ドラマ館は、「三河武士のやかた家康館」を利用して展示されていました。1階にドラマの概要や代表的な衣装が展示され、地下1階に降りると「徳川家康の一生と三河武士」ゾーンとなり、金陀美具足や様々な史実展示がありました。また、アニメーションを使った演出など、リニューアルした関ケ原合戦のジオラマは、迫力があり素晴らしい演出でした。再び1階に上がると、登場人物の等身大パネルが登場し、記念撮影ができました。
家康公の生誕の地を訪れて、そのルーツに迫る有意義なツアーでした。訪問先の関係各位の皆様の行き届いたおもてなしに心から感謝申し上げます。



(文責・事務局長 木宮岳志)